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コラム: サードがWiiで成功するために ~ カギは周辺機器と差別化?

 Wiiには、たくさんの周辺機器があります。クラシックコントローラやバランスWiiボード、Wiiハンドルなどなど。でも周辺機器はたくさん発売されるけど、対応ソフトはなかなか発売されないですよね。
 ならサードはそこを狙え!ということで、今日はその辺りを語っていきたいと思います。
 任天堂は、Wii向けにたくさんの周辺機器を発売してきました。入力系の機器だけでも、標準装備のWiiリモコンやヌンチャクをはじめ、クラシックコントローラ、バランスWiiボード、Wiiザッパー、Wiiハンドル、Wiiスピーク、そして春発売の「Wii MotionPlus」などなど。

 しかしゲーム業界では、前々から「周辺機器をたくさん売るのは難しい」と言われていて、Wiiでたくさんの周辺機器を発売する構想が明かされた当初は「Wiiでも成功しないだろう」と思われていました。
 しかし、バランスWiiボード同梱の「Wii Fit」は累計300万本、Wiiハンドルを同梱したマリオカートWiiは200万本、Wiiスピークを同梱したどうぶつの森も100万本を売りました。特にWiiハンドルは、対戦用に2個目以降の需要があったため、発売直後は品薄になりました

 つまり、国内だけでもバランスWiiボードは300万個、Wiiハンドルは200万個以上、Wiiスピークは数十万個が全国の家庭に普及しています。ほか、Wiiザッパーはサードからも複数の同梱パッケージが発売され、数十万個は出回っていると考えられます。
 となれば、その周辺機器をターゲットにするだけでも、そこにはそれなりの大きさの市場が存在することになります。とりあえず、バランスWiiボードはPS3より売れていますからね。

 しかし任天堂は、周辺機器を送り出した後は対応ソフトをあまり発売しなくなります。バランスWiiボードはWii Musicに一部対応していますが、Wiiザッパー、Wiiハンドル、Wiiスピークは任天堂から1本しか対応ソフトが発売されていません。
 それぞれ、Wiiザッパーはリンクのボウガントレーニング、WiiハンドルはマリオカートWii、Wiiスピークはどうぶつの森です。

 思うに、これが任天堂の隙だと思うんですよ。ライトユーザーがWiiに多く存在する中、既にたくさん売れたジャンルのソフトをWiiで発売しても、多くの場合は勝負になりません。なんらかの差別化が必要になってくるわけで、「前作はわりと簡単でしたが、今回はちょっと難しいですよ」では話になりません。
 そこで、周辺機器に対応させるのが一つの案です。上で言ったように、多くの周辺機器には任天堂ソフトが1本しか発売されていないため、持て余している人も意外と多いんですよね。

 例えばバンダイナムコゲームスからは、バランスWiiボード対応ソフトとしてファミリースキーが発売され、昨年12月に全世界での累計が100万本を突破したことが発表されました。日本では13万本と割合が少なめですが、Wiiで国内でサードという条件を考えると、売れたほうの部類に入るのではないでしょうか。

 また、Wiiザッパー対応ソフトは、セガからゴーストスカッド、カプコンからバイオハザード アンブレラクロニクルズなどが発売されました。特にバイオは、年末商戦という時期もあってか発売当初は品薄になり、20万本を超えるセールスを記録しました。これも、全世界では100万本を突破しています。

 このように、周辺機器にはまだ未開拓な部分が多く残っているんですね。特にWiiザッパーは、対応ソフトがもっと多くても良いのではないかと思います。サードパーティとしては、周辺機器への対応が1つの差別化になるでしょう。

 ところで、今まではプレイステーション系など他社ハードで発売されていたシリーズ作品が、Wiiで発売されるというケースが増えてきました。こういった流れは基本的に大歓迎ですが、その場合も前作との差別化が必要です。
 この場合は、「なぜWiiで発売するのか?」という疑問に対する答えを明確にしなければなりません。例えば「ウイニングイレブン プレーメーカー2008」では、Wiiで新しい操作のサッカーゲームを提案し、ユーザーの人気を得ました。
 売り上げは発売初日で2万本と数字だけを見ると寂しい印象を受けますが、もともと初回出荷が少なめでした。シリーズを重ねてファンを増やしていくのも大事ですね。

 どうせWiiで開発するのであれば、新しい要素に期待したいところ。必ずしも操作性を主眼に置く必要はありませんが、何らかのWiiで発売する理由がなければいけません。一番普及しているからと単に続編をWiiで発売するだけでは、成功は難しいでしょう。
 今までいたPS系ユーザーがWii版も買ってくれるとは限りませんし、全ハードを購入しているようなゲームユーザーにとっては続編でも、プラットフォームを変えれば初めての人ばかりという場合も多いからです。

 今年発売予定の「モンスターハンター3」も、PSP向けなどに発売されたシリーズ作品との差別化が必要です。PSP版では、友達同士が集まって狩をするのがブームになりました。では、Wii版ではどうなるか。Wi-Fi対応がカギになるのではと思いますが、カプコンに期待したいですね。

 今年も、数多くのソフトがサードパーティから発売されます。Wiiにおいては、サード製ソフトは任天堂の人気に埋もれがちですが、魅力ある作品はサードにもあります。それが昨年よりも多くなることに期待したいですね。
◎この記事について
  編集者: にんてんまん
  記事のカテゴリ: 特集・コラム
  (関連: Wiiニュース, 特集・コラム > コラム・社説, Wiiソフト

コメント (1件

2009/01/11 PM03:14
とはいえ前作よりボードに特化したファミスキ売上は前作の5分の1、ボードを強調したせいで売れなかったのではなんていわれてますが・・

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