特集:決算の読み方4 『いよいよ任天堂が決算発表、見どころは?』
任天堂の決算発表前に簡単に決算書の読み方を知ろうという特集「決算の読み方」。最終回である今回は、決算の見どころなどをまとめようと思います。
まず、業績予想を確認しておきましょう。通期では、売上高が
1兆6300億円(前回予想比+800億円)、営業利益が
4600億円(同+400億円)、経常利益が4600億円(変更なし)、純利益が2750億円(変更なし)です。営業利益が400億円プラスになったにも関わらず経常利益と純利益が据置になった理由は、第2回の特集で述べたとおり、円高だからです。
ただし、この予想は1ドル=110円の頃に立てられたものです。3月末時点で1ドル=100円程度にまで円高が進みましたので、実際の業績はこれよりも低くなる可能性がある、ということも述べました。ですが、任天堂は4月に入っても業績予想の修正は発表しませんでしたので、ほぼ想定の範囲内の業績なのかも知れません。
で、個人的に任天堂と言えば
大量の現金というイメージがあるため、現金及び預金の額が気になります。平成18年度の決算では9621億円でしたので、今回の決算で1兆円越えになりそうです。すごいですね。
あとは、第3回で述べた買収危機に関連して、”自己資本÷純資産”で求められる
自己資本比率の変化でしょうか。ここ数年は80%前後と高い数値で推移していましたが、平成18年度で69%になっています。
一般的に、自己資本比率が高い企業は健全であると言えますが、それゆえに買収の標的になりやすいという欠点があります。この変化は、
岩田社長の言う買収防衛策と何か関連があるのかもしれません。
最後に、Wiiサイトとしては、Wii本体やソフトの累計出荷数や、2008年度の出荷計画が気になります。
現在は月産180万台のWii本体を生産可能で、年間だと2160万台を出荷できる計算になります。
今後のアジア展開などを考えると、年末商戦なども視野に入れて生産能力を上げるはずですので、近いうちに月産200万台あたりになるかも知れないですね。
こんな感じでしょうか。N-Wii.netで取り上げる時は、売上高などの変化とその理由、ハードウェア・ソフトウェア別の売上高、地域別の売上高、為替レートなどに注目しています。ほかは、ハード・ソフトの出荷計画や今後のラインナップなどですかね。
以上、4日間にわたって決算の読み方についての特集をお送りいたしました。書いている僕は専門家ではないので分かりにくい部分があったかもしれませんが、少しでも役に立てれば幸いです。
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