任天堂は、ゲームキューブとゲームボーイアドバンスを展開していた時代に”コネクティビティ”という方針を掲げていました。2つのハードを連携させると楽しくなるという内容でしたが、残念ながらこの試みは成功せず、中途半端に終わってしまったように思えます。
しかし今、任天堂はDSとWiiを使って再びコネクティビティに挑戦しようとしています。DSとWiiの連携は成功し、さらなる普及に貢献できるか、これが今回のテーマです。
※14日0:55 文章におかしい所があったので、少々加筆修正を行いました。
しかし今、任天堂はDSとWiiを使って再びコネクティビティに挑戦しようとしています。DSとWiiの連携は成功し、さらなる普及に貢献できるか、これが今回のテーマです。
※14日0:55 文章におかしい所があったので、少々加筆修正を行いました。
まず、GCとGBAのコネクティビティについて簡単に振り返っておきたいと思います。代表的な作品は、「どうぶつの森+」と「どうぶつの森e+」でしょう。「+」では、GBAを繋げる事によって島に行けたり、ファミコンのゲームを転送して遊ぶ機能がありました。また、続編の「e+」では、GBAに装着した「カードeリーダー+」でカードのデータを読み込む機能も追加されました。
また、FFCCシリーズの第1作である「ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル」では、GBAをコントローラや情報画面として使ったりもしましたね。
このように、GCとGBAのコネクティビティはわりと積極的に行われていましたが、あまり盛り上がらず中途半端に終わってしまった印象があります。主な理由を挙げると、こんな感じでしょうか。
しかし、2002年12月末での本体普及台数はGBAが480万台、GCが110万台、「森+」が20万本と、実際にGCとGBAを繋げて遊んだユーザーはかなり限定的だったのではないかと思います。
この話題は、岩田社長が海外特派員協会にて講演した時に触れていましたので、取り上げます。
つまり、GCのGBAの時は「両方買え」というイメージを多少なりとも与えてしまい、コネクティビティが逆効果になっていたのではないでしょうか。GCの普及がイマイチだった事も、それに拍車を掛けていたのかも知れません。
「このゲームはGCとGBAがないと100%楽しめないよ」という印象を与えてしまうと、「じゃあいらない」と思ってしまう方もいるかと思います。
以上、僕が考えるGCとGBAによるコネクティビティの欠点ですが、ではWiiとDSはどうでしょう。1番については、現時点でWiiは800万台弱、DSは2500万台強と、当時とは比べ物にならない規模で普及しています。
3番については、WiiとDSの両方に無線機能が内蔵されていますから、気軽に接続できるよう改善されています。
コネクティビティを推進していく上で、最も問題となるのは2番です。いくら普及しても「DSしか持っていない」「Wiiしか持っていない」という人はいます。「両方あるともっとうれしい」と「両方ないとダメ」は紙一重で、さじ加減によって良い方にも悪い方にも転がっていきます。なるべくなら、相乗効果を狙えるものにしたいわけです。
ここで、僕が個人的に素晴らしいと思ったコネクティビティを紹介したいと思います。それは、Wiiの「みんなのニンテンドーチャンネル」にあるDSソフト体験版のダウンロード機能です。
今までは、お店に設置されているDSステーションから体験版をダウンロードする必要がありましたが、ニンテンドーチャンネルのおかげで自宅のWiiからもダウンロードして遊べるようになりました。
また、コネクティビティとは異なりますが、WiiとDSのソフトが繋がるという意味で「FFCC エコーズ・オブ・タイム」を挙げたいと思います。本作は、WiiとDSのマルチプラットフォームという形で発売され、Wii版とDS版のプレイヤーが一緒に協力プレイを楽しむことが出来ました。
しかし本作には、DS版とWii版のグラフィックが同じだったり、2画面分を無理やりモニター表示するなどの問題点がありましたし、Wii版の売り上げは十分とは言えないものでした。でも、やり方を変える事で、WiiとDSのマルチプラットフォームが成功する可能性はあると考えています。
(これについては、別の機会に詳しく取り上げようと思います)
重要なのは、お客さんに「両方あるともっとうれしい」と思ってもらうこと。そういう意味では、Wiiのバーチャルコンソールで購入したソフトをDSiで遊べるというのは、利益や権利関係など様々な問題があるものの、実現すれば(メーカーにとっては微妙そうですが、ユーザーにとっては)魅力的な機能ではないでしょうか。
VCに限らず、日本市場を見ていると据置機と携帯機の共存について考えなければならない状況です。家では据置機、出先では携帯機といった棲み分けは考えること自体は簡単でも、実行するとなると課題も多いですね。
と、かなり話が大きくなってしまいましたが、任天堂には世界で1億台普及したDSと5000万台のWiiがあるわけで、これは強力な武器になる可能性を秘めています。
行き過ぎたコネクティビティは、岩田社長の指摘通り「任天堂、傲慢だぞ」というイメージを与えてしまう危険があるのですが、そろそろWiiとDSの相乗効果を狙った戦略も必要になってくるでしょう。これについては、これまた宮本さんが色々と考えているようなので、それに期待したいですね。
◎関連リンク
□DSで生活が便利になる――任天堂・岩田聡社長と宮本茂専務、ゲーム機の現在と未来を語る (6/6) (ITmedia)
□「DSiでWii用バーチャルコンソールが遊べる」の可能性を考える (やまなしなひび-Diary SIDE-)
また、FFCCシリーズの第1作である「ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル」では、GBAをコントローラや情報画面として使ったりもしましたね。
このように、GCとGBAのコネクティビティはわりと積極的に行われていましたが、あまり盛り上がらず中途半端に終わってしまった印象があります。主な理由を挙げると、こんな感じでしょうか。
1.GCとGBAの普及が十分ではなかった
「森+」が発売されたのは2001年12月ですが、これはGBAの発売から9ヶ月、GCに至っては3ヶ月しか経っていませんでした。2001年末はGBAもGCも初めての年末商戦でしたので、クリスマス需要による本体の普及を狙った展開だったのかも知れません。しかし、2002年12月末での本体普及台数はGBAが480万台、GCが110万台、「森+」が20万本と、実際にGCとGBAを繋げて遊んだユーザーはかなり限定的だったのではないかと思います。
2.「両方ないと楽しめない」というイメージを与えてしまった
コネクティビティを特徴とした作品は、「GCとGBAを両方持っていると楽しいよ」という特典がある一方で、「両方の機種を持っていないとゲームを100%楽しめないのでは」「GCとGBAを両方買わせようとしている」といった印象をユーザーに持たせてしまったのではないかと思います。この話題は、岩田社長が海外特派員協会にて講演した時に触れていましたので、取り上げます。
岩田社長: 「両方あるともっとうれしい」というのはいいのですが、「両方ないとダメ」としたら、お客さんからすると「両方買え」と無理やり言われているみたいで、「任天堂、傲慢(ごうまん)だぞ」と思うようなムードを作ってしまいます。
また、「そういう提案はあまりお客さんの受けがよくないな」ということを、ゲームキューブ、ゲームボーイアドバンス時代に私たちはちょっと感じていて、今は「『両方あるともっとうれしい』という形でこの2つのインテグレーション(統合)を考えたいな」と思っています。
(DSで生活が便利になる――任天堂・岩田聡社長と宮本茂専務、ゲーム機の現在と未来を語る (6/6)より)
つまり、GCのGBAの時は「両方買え」というイメージを多少なりとも与えてしまい、コネクティビティが逆効果になっていたのではないでしょうか。GCの普及がイマイチだった事も、それに拍車を掛けていたのかも知れません。
「このゲームはGCとGBAがないと100%楽しめないよ」という印象を与えてしまうと、「じゃあいらない」と思ってしまう方もいるかと思います。
3.単に面倒くさいから
GCのGBAを繋げるには、「GBAケーブル」という専用の周辺機器が必要でした。対応ソフトの多くはケーブルが同梱されていたので用意する手間はあまり無いのですが、GCとGBAを繋げるという行為が面倒に感じる人は多くいたのではないでしょうか。以上、僕が考えるGCとGBAによるコネクティビティの欠点ですが、ではWiiとDSはどうでしょう。1番については、現時点でWiiは800万台弱、DSは2500万台強と、当時とは比べ物にならない規模で普及しています。
3番については、WiiとDSの両方に無線機能が内蔵されていますから、気軽に接続できるよう改善されています。
コネクティビティを推進していく上で、最も問題となるのは2番です。いくら普及しても「DSしか持っていない」「Wiiしか持っていない」という人はいます。「両方あるともっとうれしい」と「両方ないとダメ」は紙一重で、さじ加減によって良い方にも悪い方にも転がっていきます。なるべくなら、相乗効果を狙えるものにしたいわけです。
ここで、僕が個人的に素晴らしいと思ったコネクティビティを紹介したいと思います。それは、Wiiの「みんなのニンテンドーチャンネル」にあるDSソフト体験版のダウンロード機能です。
今までは、お店に設置されているDSステーションから体験版をダウンロードする必要がありましたが、ニンテンドーチャンネルのおかげで自宅のWiiからもダウンロードして遊べるようになりました。
また、コネクティビティとは異なりますが、WiiとDSのソフトが繋がるという意味で「FFCC エコーズ・オブ・タイム」を挙げたいと思います。本作は、WiiとDSのマルチプラットフォームという形で発売され、Wii版とDS版のプレイヤーが一緒に協力プレイを楽しむことが出来ました。
しかし本作には、DS版とWii版のグラフィックが同じだったり、2画面分を無理やりモニター表示するなどの問題点がありましたし、Wii版の売り上げは十分とは言えないものでした。でも、やり方を変える事で、WiiとDSのマルチプラットフォームが成功する可能性はあると考えています。
(これについては、別の機会に詳しく取り上げようと思います)
重要なのは、お客さんに「両方あるともっとうれしい」と思ってもらうこと。そういう意味では、Wiiのバーチャルコンソールで購入したソフトをDSiで遊べるというのは、利益や権利関係など様々な問題があるものの、実現すれば(メーカーにとっては微妙そうですが、ユーザーにとっては)魅力的な機能ではないでしょうか。
VCに限らず、日本市場を見ていると据置機と携帯機の共存について考えなければならない状況です。家では据置機、出先では携帯機といった棲み分けは考えること自体は簡単でも、実行するとなると課題も多いですね。
と、かなり話が大きくなってしまいましたが、任天堂には世界で1億台普及したDSと5000万台のWiiがあるわけで、これは強力な武器になる可能性を秘めています。
行き過ぎたコネクティビティは、岩田社長の指摘通り「任天堂、傲慢だぞ」というイメージを与えてしまう危険があるのですが、そろそろWiiとDSの相乗効果を狙った戦略も必要になってくるでしょう。これについては、これまた宮本さんが色々と考えているようなので、それに期待したいですね。
◎関連リンク
□DSで生活が便利になる――任天堂・岩田聡社長と宮本茂専務、ゲーム機の現在と未来を語る (6/6) (ITmedia)
□「DSiでWii用バーチャルコンソールが遊べる」の可能性を考える (やまなしなひび-Diary SIDE-)
コメント (1件)
- Madison 2013/09/22 PM11:52
- or beloved ones. value-smart portable gps models…
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