「メガネがある以上、3Dはありえない」、社長が訊くニンテンドー3DS掲載
任天堂ホームページにて、社長が訊くニンテンドー3DSが掲載されました。
今回のインタビューでは宮本茂さんと糸井重里さんが登場し、糸井さんによる3DSの感想や、ファミコン時代からの3Dへの取組み、任天堂の3Dに対する考え方などが話題になっています。
冒頭で糸井さんが体験したのは、昨年のE3に出展されたデモ映像と、任天堂のキャラクター達が3DS本体でリアルタイムに生成されるグラフィックスです。このグラフィックスはスライドパッドでカメラを動かせるほか、3Dボリュームで自由に”
立体度”を調整できるようになっています。
今までの映画などでは、最適であると考えられる立体度を作り手側で決めて制作されていましたが、3DSのソフトでは
自分に適した立体度への調整に対応しているのが魅力の一つです。ただし、立体度を調整できるのは3DSでリアルタイムに生成した絵だけで、事前に録画した映像の場合は立体度のオンとオフだけの調整になるとのこと。
岩田社長によると、今までの3Dデバイスでは立体視をはっきりと体感できておらず、3DSに触れて「ほんとに見える」と思った人も多いとのこと。
さて、その後は
任天堂の3Dに対する取組みへと話題は移ります。有名なのは1995年に発売された「バーチャルボーイ」ですが、残念ながらプラットフォームとしては失敗に終わりました。
ただ、宮本さんは、新しい娯楽にアンテナを張っているような人に買ってもらう”おもしろいおもちゃ”と位置付けていたようです。おもちゃの場合は5万台売れただけでも大成功で、その売れ行きが話題になってさらに売れて、結果的ビジネスに繋がれば良いと思っていたとのこと。
しかしバーチャルボーイには、映像が赤と黒の2種類だったこと、ゴーグルをのぞき込むような遊んでいる姿が良くなかったことなどの課題もあり、日常生活に溶け込むことが出来ませんでした。
その他、
裸眼立体視のサンプルがゲームボーイアドバンスSPで動いていたこと、
ゲームキューブの本体に3D対応の回路が内蔵されており3D表現が可能だったこと、デモとして「ルイージマンション」が3D対応になって動いていたことなど、その後の3Dへの取組みについても紹介されています。
バーチャルボーイの発売後も3Dの実験を続けてきた任天堂ですが、岩田社長は「
もし、バーチャルボーイの失敗がなかったら、こんなに任天堂の関係者全員が「メガネがある以上、3Dはありえない」っていうことをはっきり言ってないかもしれない」とコメント。ニンテンドー3DSは、3Dの実験を続けてきた努力が実った結果と言えるかも知れません。
今回のインタビューは、ニンテンドー3DS体験会の心得としても役に立つと思いますので、ぜひ一度読んでみてください。
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社長が訊くニンテンドー3DS (任天堂)