岩田社長、2009年度業績について「挽回できたと思っている」
任天堂の岩田社長はロイター通信のインタービューで、年末商戦での状況について語りました。
まず、2009年の年末商戦におけるWii/ニンテンドーDS本体の販売状況について。
- Wii本体
- 日本では、12月のWii本体販売台数が発売年の2006年を除いて、2007年よりも2008年よりも好調だった
- 米国では11月までは昨年を下回っていたが、12月は約300万台が売れた。これは昨年12月の214万台を上回り過去最高
- 欧州でも11月中旬までは調子が悪かったが、12月は好調だった。欧州でのWii本体販売台数は12月に累計2000万台を超えた
- ニンテンドーDS本体
- 日本では、昨年同期には及ばなかった
- 米国では、年間996万台を販売した昨年を上回り、2009年は年間1000万台を超えたのは間違いない。2004年に発売されたDSが2009年になって過去最高の年間販売台数を記録した
- (欧州については言及なし)
岩田社長は、Wiiが好調となった要因として「
複数のソフトがそろったこと」を挙げています。
NewスーパーマリオブラザーズWiiや
Wii Fit Plusや
Wii Sports Resortが年末商戦までに出揃ったほか、Wii本体の値下げが後押しとなり、ゲームを購入する環境が整ったとのこと。
また、「特にWiiについて急に環境が変わった」とし、年末に皆で遊ぼうと盛り上がったときに、前からほしかったゲーム機に家族が賛成してくれて買いやすくなってきたと分析しています。
Wiiについては、
昨年10月に発表された中間決算において勢いが失速した事が表面化していましたが、それについて岩田社長は「一度勢いが落ちるとつらい。いいものを作ってもたくさんの人に広がらず、いったんWiiやDSで遊ばなくなってしまうと周りの人に面白いと言いづらくなる。これから、すぐに失速する心配はしていないが、ここで、次に楽しんでもらえるソフトを提案できるようにつないでいかなければいけない。失速することの怖さは嫌というほど味わったのでしっかりやりたい」と語りました。
また、2600万台から2000万台に下方修正されたWii本体の出荷台数については、「
私は2000万台だと言った以上は達成可能だと思っていた。そのときに考えていたシナリオの路線で来ていると思っている」と語り、達成可能であるとの見通しを示しました。
1月末には2009年度第3四半期(2009年4月~12月)の業績発表が控えていますが、それについては「
今の段階では、業績予想を(下方)修正するほど年末商戦が悪かったと思っていない。挽回できたと思っている」と語りました。
2009年度上半期にはWiiの失速が問題となり、年末商戦に向けてどう再加速するかという課題がありましたが、結果的には2007年や2008年を上回る売り上げを記録しました。
インタビューでは2009年1月と2010年1月では勢いが違うといった事にも触れられていますが、この勢いをどう維持していくかが今後の課題となりそうです。
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再送:インタビュー: 年末商戦で「Wii」の勢い戻る、市場の見方は変わるだろう=任天堂<7974.OS>社長 (ロイター通信)
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