岩田社長: で、実際につくってみて「こうすればよかった」という反省があったりしますか?
宮本さん: 強いて言えば、難易度がちょっと・・・。
岩田社長: 誰でも遊べる『マリオ』は実現できたけど、一方で、歯ごたえを求める人にとってはちょっとやさし過ぎたかもしれませんね。
宮本さん: やっぱり、久しぶりにゲームを遊ぶ人からこれまでの『マリオ』のゲームを遊びこんできた人まで、すべてのお客さんに満足していただけるような難易度というのはつくろうとしてもなかなかつくれないんですよね。どっちかに絞っていかなきゃアカンわけで。
宮本さん: ただ、自分でそういう仕様を入れたんですが、ゲームをはじめる前に「おてほんプレイを見ますか?」と聞かれると、すごくムッとするんですよ。ゲーマーとしては。
岩田社長: 許せない?(笑)
宮本さん: 絶対に許せない。
岩田社長: 1度もやってないのにおてほんなんか見てたまるかと?(笑)。
宮本さん: そうなんです(笑)。
宮本さん: 最初、「おてほんプレイ」ははじめからメニュー画面で見られるようにしていたんです。でも許せないから、いろいろ考えた結果、3回ミスをすると、初めてヒントブロックが出てくるようにして、それを叩くと、「おてほんプレイを見ますか?」という表示が出てくるようにしました。
岩田社長: 3回挑戦して、それでもうまくいかない人が「おてほんプレイ」が見られるようにしたんですね。
宮本さん: そこで実際に自分でもやってみたんです。でも、それでもムッとしたんです。
岩田社長: (笑)
岩田社長: 結局、何回ミスをしたらヒントブロックを出すようにすればいいのか、そのタイミングがすごく大事なんですね。
宮本さん: そこはすごく悩みました。5回がいいのか、それとも10回だったらいいのかと。で、僕は10回がいいかなと思ったんですけど、その中間を考えている人がいて、「8回がいいんじゃないでしょうか」と。
岩田社長: ほぼ真ん中をとったんですね。
宮本さん: ゲームは最初、マリオは5人ではじまります。でも、少し進めば何回か1UPしますから、ひとつのコースを1~2ゲームプレイして、それでも先に進めないのなら次のコースに進んでもらってもいいんじゃないかと。そこで、8回ミスをすると、ヒントブロックが出てくるようにしました。