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コラム: 「モンハンG」はWii市場の起爆剤にはならない?

  • 掲載: 2009年4月20日 20:26
 4月23日、いよいよカプコンより「モンスターハンターG」が発売されます。弾不足が続いていたためか各方面からの期待が高まっているようですが、でも期待しすぎるのはどうかな? というコラムです。
 今回は、モンハンGとWii本体の売り上げ分析が主な内容となります。最初に言っておきますが、あくまでも予想ですので本気にし過ぎないようにお願いします。


 忍之閻魔帳さんにて、モンハンGの初回出荷本数などの情報が取り上げられていました。それによると、クラシックコントローラ同梱のスターターパックが10万本、通常版が10万本強、計20万本強が出荷予定となっています。
 ただ、今まで据置型ゲーム機で発売されたモンハンシリーズの実績を見ると、20万本と言う数字がかなり強気に見えるわけですね。

 2004年03月:PS2「モンスターハンター」約32万本
 2005年01月:PS2「モンスターハンターG」約30万本(7万本が廉価版)
 2006年02月:PS2「モンスターハンター2」約60万本(8万本が廉価版)


 PS2版「モンスターハンターG」の国内売り上げは約30万本。うち7万本は廉価版ですので、通常版(PS2版は4990円)の売り上げは約23万本となります。

 察しの良い方はもう気づいているかと思いますが、PS2版の実績と、それを移植したWii版の出荷本数がほぼ同じなんですね。通常であれば、オリジナル版の販売実績とリメイク版の初回出荷本数が同じというのはあり得ない話で、かなり強気に設定された出荷本数であると言えます。
 ただ、今回はカプコンが強気と言うわけではなく、カプコンとしては控えめに15万本を目標にしていたところ、流通側の期待が大きく20万本強へ上積みされたようです。

 モンハン3体験版の同梱、Wiiにとって久々のサード大型タイトルである事など期待が高まるのも当然ではあるのですが、よく考えてみるとマイナス要因(売れなさそうな要因)もあります。以下、モンハンGにとってのプラス要因とマイナス要因をまとめてみました。

プラス要因
 ・Wiiにとって久々となるサード大型タイトル
  → ゲームに飢えるWiiユーザーを確保できるか?
 ・PS2版に比べて安価
  → PS2版は4990円、Wii版は3990円(通常版の場合)
 ・ネットワークプレイに対応
  → ただ、試用後の月額800円はネックになるかも?

プラスにもマイナスにもなる要因
 ・Wiiリモコンの使用を強制しない
  → シリーズ経験者は安心? しかしクラコンが別途必要
 ・PSPのモンハンブーム
  → しかし据置と携帯では性質が違うため、大きな期待は出来ない
 ・モンハン3の存在
  → 体験版が同梱されると言っても、数ヵ月後には本物が発売される

マイナス要因
 ・リメイクである
  → 当然ではあるけど、モンハンGは新作タイトルではない
 ・クラシックコントローラRPOが数ヵ月後に発売される
  → 今のクラコンはどうする? という問題は残ったまま
 ・Wiiは、サード製タイトルが売れる市場としては未熟
  → むしろ、これからモンハンで市場を開拓していく段階にある

 モンハンGについては、特にモンハン3体験版の同梱が話題になりましたが、体験版目当てで3990円を払ってモンハンGを買う人はどれだけいるでしょうか。
 あと2500円くらい足せば数ヵ月後に完成版を購入できるわけで、そう考えると大きな購入動機にはなりにくいのではないでしょうか。あくまでも、モンハンGは”モンハンGで遊びたい人が買う”と考えるべきです。

 というわけで、半ば強引に初週の売り上げを予想してみると、スターターパック8万本+通常版5~7万本、計13~15万本程度でしょうか。理想は、初週でカプコンの当初目標である15万本を超える事ですね。
 今までの経験から、僕としては初週20万本はさすがに絵空事にしか思えません。……と、偉そうな事を言ってしまいましたが、勘違いしないで欲しいのは「モンハンGは売れない」と言いたいわけではないという事です。本当に20万本売れるなら、それが一番です。

 ただ、先日の「デカスポルタ2」消化率3%の件もありますし、流通側にも不安要素がありますよね。マリオギャラクシーの時も、発売当初は在庫が過剰気味になって値崩れしかけたという出来事がありました。任天堂が初回出荷を抑えたから良いものの、受注通りに出荷していたらどうなっていたか。
 (その後、クリスマス需要で品薄になって手のひらを返したように値段を上げたのがたちが悪い…)
 もちろん、モンハンGがそうなるわけではなく単なる僕の心配事なのですが、流通や小売が過剰に入荷→売りきれないと悟ったら投げ売りする、というのは何とかならないでしょうかね。

 さて。最後に、モンハンGによるWii本体売り上げの変化についても考えたいと思いますが、先に結論を言うと大きな変化はないと思います。なぜなら、PS2やPSPを所持していて過去のモンハンで遊んだ経験があったとしても、いまWii本体を買ってリメイクであるWii版モンハンGを遊ぼうと考える人は少ないだろう、と考えられるからですね。
 なので、今週のWii本体売り上げが劇的に増えるかと言われると、そこまで大きな変化はないでしょう。恐らく、4~5万台の水準に回復する程度ではないかなと思います。しかもそれは1週か2週で終わり、Wii市場は再び「Wi Sports Resort」の発売を待つ静かな状態に戻るのではないかと思います。
 逆に言うと、夏に発売されるモンハン3の時には、Wii本体の売り上げ増が期待できるという事になりますね。

 と、何かある毎に売り上げについて考えてしまうのは悪い癖ですね。何はともあれモンハンGは23日発売という事で、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
 かく言う僕も、実はモンハン初経験なので、新鮮な気持ちでモンハンGを楽しみたいなと思います。

◎関連リンク
 □「モンスターハンターG」公式サイト (カプコン)
 □2009年4月第4週発売の新作 (忍之閻魔帳)

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 □「モンハンG」の発売日が決定、最新作「3」体験版など新情報も
 □最大4人でのクエストなど、「モンハンG」のネットワークモードが明らかに
 □「モンスターハンターG」のオンラインプレイ料金が発表