岩田社長「日本は、世界一据置型のマーケットに元気がない」
29日に発表された任天堂の平成21年第3四半期決算説明会の質疑応答にて、岩田社長は日本の据置型ゲーム機市場についてコメントしました。
質疑応答にて、記者から日本の据置型ゲーム機市場の現状について聞かれたときの回答です。
おそらくいま日本は、世界一据置型のマーケットに元気がありません。アメリカは(据置型が)ものすごく元気です。市場規模が倍とか3倍ならまだ我慢できなくもないんですが、週に売れる量が日本とアメリカで10倍違うと、「やはり何かが間違っている」というふうに私も感じます。
ですから、現状に甘んじるべきだとはまったく思いませんし、もっと方法があるはずだと思います。
と、日本の据置型ゲーム機市場に活力がない事を認めました。また、昨年の年末商戦では、任天堂はWii向けに「
Wii Music」や「
街へいこうよ どうぶつの森」などを展開したわけですが、これについては以下のように述べました。
われわれは昨年の暮れに『どうぶつの森』というソフトと『Wii Music』というソフトの2つで、それを日本のお客様に理解いただいて、そのことで日本のWiiの市場を再活性化させようというふうに考えたわけですが、その試みは思惑どおりの結果を生みませんでした。
海外のマーケットでWiiの勢いが非常に強かったのに対して、日本のWiiの市場は(年末商戦の)立ち上がりが遅く、山が低く、そして早く通常の低い水準に下がってしまいました。
米国では、12月だけで200万台のWii本体を売り上げた一方、日本では数十万台に留まっています。最も調子が良いとされているWiiでさえこの有様ですから、皆さんも感じている通り、いかに日本の据置型ゲーム機市場が冷え込んでいるかが実感できるのではないかと思います。
実際のところ、WiiやPS3など据置型よりもDSやPSPの方が人気がありますので、”
Wiiの最大のライバルはDS”という、自社の商品同士で争っているような構図が浮き彫りとなりました。
さて、ここ数年の任天堂は、岩田社長自身ですらも予想できない程の勢いで成長してきたわけですが、それについてはこう振り返っています。
結局ゲームマーケットというのは、たった一つの大きく爆発するものを生みだしたものが制するのだと思います。
もしニンテンドーDSに『脳トレ』がなかったら、『ニンテンドッグス』がなかったら、Wiiに『Wii Sports』がなかったら、『Wii Fit』がなかったらと思うと、私はぞっとします。
僕は以前、
サードパーティがWii向けタイトルを開発する時は「なぜWiiで開発するのかを明確にすること」が重要という事を話しました。
これは任天堂にとっても同じで、日本でのブームが沈静化した今だからこそ「
なぜWiiという商品を展開するのか」を改めて考える時なのではないでしょうか。
Wiiが新たなるステップを踏むために何が必要か。任天堂には、プラットフォームホルダーとしてより一層の活躍を期待したいですね。
◎関連リンク
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第3四半期決算説明会 質疑応答 1ページ目 (任天堂)