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本作は、世界中で根強い人気を持つ経営シミュレーションゲーム「シムシティ」シリーズの最新作です。元となる作品はPC向けに発売されてますが、初代「シムシティ」がスーパーファミコンに移植されたほか、ニンテンドウ64やニンテンドーDSでもシリーズ作品がリリースされましたので、ご存知の方は多いかと思います。
僕も、PC版は「3000」と「4」、家庭用ではSFC版をプレイしました。ちなみに、
SFC版はバーチャルコンソールにて配信中ですので、興味のある方はぜひこちらも遊んでみてください。
さて、家庭用ゲーム機では最新作となる「シムシティクリエイター」ですが、大きな特徴として
曲線の道路が引けるようになった事が挙げられます。”曲線道路”は実世界では当たり前ですが、実はシムシティシリーズでは初採用です。
シムシティの醍醐味と言えば、道路を伸ばして地区を決めて時間を進めて、ポコポコと建物が出来て段々と自分の街が大きくなっていく様子を眺める、というのが一つあると思うんですね。そういった時に、ただの直線で出来た”碁盤の目”風な街だけではなく、曲線も使って
バリエーション豊かな街づくりが出来るようになったのは、とても大きな進歩です。
(しかし、曲線だらけにすると地区面積が少なくなってしまうので、巨大都市を作るという別の醍醐味が楽しめないというジレンマがあったり。)
そんな進歩があったにも関わらず、操作性の悪さによって、シリーズ初の試みが台無しになっているという印象を受けました。道路や線路は、当然のことですが適当に敷けば良いという訳ではないんですよね。つまり、
曖昧な操作では駄目なんです。
PCのマウスなら曲線でも比較的安定して書けますが、Wiiリモコンのポインタではそこまで安定した操作は出来ないので、直線を書くにしても、カーブを書くにしても、いまひとつ安定せずストレスを感じてしまいます。ここは、ポインタ操作の悪い面が出てしまいましたね。
そのほかの良い点・悪い点は、以下にまとめました。
利点
○
初期予算の選択が幅広い 特にゲーム開始直後に言える事ですが、シムシティでは、お金があればあるほど難易度が低くなります。なぜかと言うと、これは現実と同じく、街づくりには大量のお金が必要になるからです。要するに、
お金が多ければ多いほど大胆な街づくりが出来るというわけです。
本作では、初級~上級と、チートという選択肢がありました。額は忘れてしまいましたが、とてつもなく高かった事だけは覚えています。初心者の方は、チートモードで始めるのも手ですね。
○
PC版とは違い、ある程度人口が増えても快適にプレイできる やはりPC版は、PCのスペックによってグラフィックや最大人口などが大きく左右されます。しかし本作はWiiですし、SFCの頃とは比べ物にならないくらいスペックも向上していますので、人口が増えても快適にプレイできます。
さすがに、天候や昼夜の変わり目では数秒ほど止まる事がありますが、ストレスは感じません。
○
「シムシティ」シリーズの入り口として最適 Wii向けという事もあってか、チュートリアルがきちんとありまし、初心者にも理解しやすいよう難しい要素を省き、比較的マイルドになっています。例えば地区を設定するとき、「3000」ではただ単に土地を設定すれば良かったのですが、「4」では方向の概念が加わったため、きちんと道路に面して設定する必要があります。
ほかにもありますが、やはり「4」は初心者には難しいと思うんですね。「4」で挫折した方がいたら、ぜひ「3000」をベースにしたWii版を改めてプレイして欲しいです。
悪い点
○
操作性 先ほども言った通りですが、道路や線路を敷く操作にかなり癖がありますので、最初の頃は線が斜めになってしまったりすると思います。
・
アドバイザー 例えばフリープレイで新しく街を作るとき。予算を選択するほか、アドバイザーを決める必要があるのですが、このアドバイザーが難点ですね。ゲーム開始前に、財政や公益など街運営に関わる様々な分野のアドバイザーを決めるのですが、これが面倒くさい。
まあ、これだけならまだしも、
給料を取られてしまうのです。ただでさえ開始直後は収支が赤字になりがちなのに、追い討ちをかけるように給料が予算から引かれていきます。しかも勝手にレベルアップし、給料が上がってしまう。大して役に立たないのに。
このような要素はシリーズ初だと思いますが、この部分は改悪と言わざるを得ません。まあ、
給料ドロボーの公務員っていうのはどっかで聞いた話ではありますけどね。
・
時間をずっと進めることが出来ない 地区を設置してから建物が建ち始めるまで、ある程度の時間を要します。そんな時は時間経過のスピードを速くするわけですが、何分か画面を眺めていると、Wiiリモコンの接続が切れてゲームが止まってしまいます。
これは、Wiiリモコンを動かしていれば良いだけなんですが……電池の節約などで重宝する機能も、ゲームによっては仇になるという例でした。
総評
まとめると、ちょっと操作性には難があるものの、やはりシムシティはシムシティ。ゲームとしてはしっかりと楽しめます。ポインタに慣れてしまえばシリーズ経験者も十分楽しめますし、
街作りの醍醐味は健在です。
と言いつつも、僕はPC版の経験があるので、ポインタ操作などのマイナスな部分ばかりを見つけてしまいがちです。
でも逆に、未経験者からすれば「一見さんお断り」の状態に陥っていた
シムシティシリーズの敷居を下げる事に成功した、とも言えるのではないでしょうか。僕が不満点の一つとして挙げたポインタによる道路などの敷設も、
公式サイトでは「お絵かき感覚で」と紹介されていました。
シリーズを何回もプレイしていくと、いかに効率よく街を作るかという目的ばかりに目がいってしまいます。しかし、間口を広げて、
まず街作りの楽しさを知ってもらうと言う点では、実は本作はなかなかの良作なのではないかと、そう思うわけです。
初心者も経験者も、同じスタートラインに。ちょっと意味は違うかも知れませんが、シリーズ経験者にとっては気分を一新して楽しめる作品に仕上がっていました。
個人的には、ここ最近のエレクトロニック・アーツのタイトルの中では一番良い出来だと思います。今まで「
ぼくとシムのまち」や「
Medal of Honor Heroes 2」「
ブームブロックス」などをレビューして来ましたが、いずれも作りこみの甘さとでも言いますか、荒さが目立っていました。しかしそれは改善できています。
シムシティには興味があったけど難しそうで手を出せなかった、という方はぜひ「シムシティクリエイター」を遊んでみてください。
◎関連リンク
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「シムシティクリエイター」公式サイト (エレクトロニック・アーツ)
◎ソフトウェア紹介リンク
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シムシティクリエイター (Amazon.co.jp)
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シムシティクリエイター (N-Wii.netデータベース)
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