[WiiU] 「マリオカート8」5月発売、高速起動メニュー導入、VCにDS追加など、WiiUの今後の戦略
30日に任天堂が開催した経営方針説明会にて、岩田聡社長は”Wii Uをこれからどうするのか”について短期の展望を語りました。
市場の活性化が喫緊の課題となっているWii Uについて、岩田社長は冒頭で「
当然のことながら、収支のバランスを崩している今の任天堂が、単純に値下げで事態を打開するという選択肢はあり得ません」と、現状での本体値下げを否定しました。
岩田社長は現状について、Wii U GamePadの存在意義や、WiiからWii Uへと買い替えるメリットなどを十分に示せたとは言えず、それどころかGamePadはWiiの周辺機器という誤解も少なからず受けていると分析。これを受けて、まず「
GamePadがあるからこそ実現できるソフトタイトルを提案することを、今年の最優先課題に置きたい」と語りました。
”GamePadがあるからこそ実現できたタイトル”となる決定打を見せることが出来ていないとして、「
本件は、宮本の指揮する当社の内作開発部門の今年の最優先課題のひとつとして取り組んでいきます」と表明しました。
また、GamePadには
NFCリーダーライターが搭載されていますが、対応タイトルは「
ポケモンスクランブルU」のみと限られており、有効活用されているとは言えない状況です。
これについては、以前から利用例として挙げられていたJR東日本のSuicaを用いた決済機能など、複数の提案を用意しているとのこと。
詳細は6月にロサンゼルスにて開催されるE3で発表するとしています。
GamePadのメリットとして、テレビを占有することなく手軽にゲームを遊べる点が挙げられますが、現状では起動に20秒以上の時間が掛かり、手軽さが大きく失われている状況です。この問題の解決作として、初夏に予定している本体更新で「
高速起動メニュー」を導入することが発表されました。
岩田社長の説明によると「高速起動メニュー」とは、直近に使ったいくつかのソフトの中から、本体メニューを介することなくソフトを起動できるようにする機能です。これにより、
ゲームを起動するまでに必要な時間は体感で半分以下にすることができるとのこと。
また、GamePadを用いて
ニンテンドーDSのバーチャルコンソールを実現するための技術的なハードルを解決する目処がついたとのこと。今後のバーチャルコンソールのラインナップに、ニンテンドーDSのタイトルが順次加わっていく予定です。
その他、各タイトルの展開についてはニンテンドーダイレクトなどで発表されていきますが、Wii Uにとって今年の目玉の一つである「
マリオカート8」は全世界で2014年5月発売予定であることがこの場で明かされました。
GamePadが大きな特徴であるWii Uにとって、GamePadの存在やメリットなどが正しく伝わっていない、もしくは任天堂自身も活かせていないという問題がありました。
大幅値下げの効果も不透明とあっては、まずは目の前の問題を解決していくしかない状況です。Wii Uはまだ2年目でありラインナップの充実もこれからですので、今後の展開に期待したいですね。
◎関連リンク
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2014年1月30日(木) 経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会 (任天堂)