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[Wiiウェア] 海外版「LA-MULANA」が販売中止、プロデューサー「十分な量を売るのはほぼ不可能」

  • 掲載: 2012年5月2日 00:19
 Nicalisは、2012年中を予定していたWiiウェア「LA-MULANA」の海外でのリリースを中止すると発表しました。
 「LA-MULANA」は、日本ではアスタリズムより配信中のWiiウェア向け遺跡探検考古学アクションゲームです。元々はGR3 PROJECTによって制作されたPC向けフリーソフトで、それをNIGOROがWiiウェア向けにアレンジしています。なお、NIGOROにはGR3 PROJECTのメンバーが在籍しています。
 海外版「LA-MULANA」は、「洞窟物語」などの海外展開を手がけたNicalisが販売します。当初は2012年中発売として発表されましたが、このたび発売中止となりました。

 Nicalis社のプロデューサーであるTyrone Rodriguez氏は、理由についてWiiウェア市場の衰退を挙げています。以下、同氏のコメントです。

 「LA-MULANA」の配信を中止するというのは、非常に厳しい決断でした。しかし、NIGOROが開発を終えるまで2年待っている間に、Wiiウェアで十分な本数を売るのはほとんど不可能な状況になりました。(※編注:Wiiウェアでは、パブリッシャーが利益を得るために必要な最低販売本数が任天堂によって設定されているとの情報があります。)
 Wiiウェアには2008年からの僅かなプレイヤーがいます。ソフトを公開し成功するための好機は2009年に過ぎ、以降は急激に降下線を辿っています。また、プレイヤーは他のダウンロードソフト配信プラットフォームへ移っています。


 Tyrone Rodriguez氏は他にも、開発当初は予定されていなかったDLCが追加されたことや、NIGOROにとって本作は家庭用ゲーム機での初めての開発だったことも理由に挙げています。また、具体的な理由は不明ですが、本作のDLCは現地での任天堂の審査を通過できなかったとのこと。

 同氏は「Wiiウェアでは十分な売り上げが見込めず、しかもWii Uの発売が近い将来として迫っていたので、今回の決断をしなければいけなかった」とまとめました。最後に「彼らは良いゲーム開発者であり、素晴らしい人達です」と労をねぎらいました。

 Wiiウェアはダウンロードソフト配信プラットフォームとして日本では2008年3月よりサービスを開始し、一時は体験版の配信も行われるなど様々な取り組みが行われました。しかし最近は新作の配信も行われておらず、ショッピングチャンネルなどと合わせて3DSやWii Uに向けた課題の一つとなっています。
 3DSでは「ニンテンドーeショップ」によりユーザーの動きも活性化していますので、Wii UではWiiウェアの反省を活かした展開が行われることに期待したいですね。

◎関連リンク
 □Nicalis cancel La-Mulana, state WiiWare sales now “almost non-existent (Nintendo Universe)