「バランスWiiボード」が特許を侵害しているとして、2010年4月に米企業が任天堂を訴えた問題で、米連邦地裁は、米企業側の主張を棄却する判決を下しました。

　IA Labsは、フィットネス機器を製造・販売している米国の企業です。同社は、任天堂のWiiソフト「Wii Fit」および「Wii Fit Plus」に付属する周辺機器「バランスWiiボード」が、自社の特許を侵害しているとして、2010年4月に任天堂を訴えました。

　争点とされた特許は、米国特許第7,121,982号「Computer Interactive Isometric Exercise System and Method for Operatively Interconnecting the Exercise System to a Computer System for use as a Peripheral」（コンピュータによる対話式のアイソメトリック・エクササイズシステムと、エクササイズシステムを周辺機器として使用するためにコンピューターとの動作を可能にする方法）と、 7,331,226号「Force Measurement System for an Isometric Exercise Device」（アイソメトリック・エクササイズデバイス用の体力測定システム）です。
　簡単にまとめると、IA Labsの主張は、「バランスWiiボード」を用いた対話式のエクササイズが自社の特許を侵害しているというものです。また同社は、任天堂が意図的に特許を継続的に侵害しており、それによって修復不可能な被害を受けたとしています。

　先日、米メリーランド州地方裁判所にて訴訟の判決が下され、IA Labsの主張が棄却されました。Nintendo of America 法務担当上級副社長のRick Flamm氏は、この判決に対して「我々は、原告が持つ特許を侵害していないことが明らかな場合は、強い意志をもって特許訴訟から身を守ります。我々は、特許荒らしに屈することを断固として拒否します」とコメントしました。

　ゲーム機が高性能化・多機能化を続けていることもあり、任天堂を含む様々なメーカーが特許訴訟に度々巻き込まれています。他にも係争中の訴訟が数多く残っているのが現状ですが、今回の件に関しては無事に解決して何よりですね。

◎関連リンク
　□Nintendo victorious in Wii Balance Board patent suit （GameSpot）