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GDC2011: 岩田社長基調講演の日本語訳が公開

  • 掲載: 2011年3月4日 03:03
 日本時間3日午前2時から開催されたGame Developers Conference 2011(GDC2011)の任天堂・岩田聡社長基調講演の日本語訳が、任天堂ホームページにて公開されました。
 講演ではゲーム業界の25年間を振り返ったほか、Nintendo of America社長のReggie Fils-Aime氏からニンテンドー3DSの紹介がありました。
 また、ニンテンドー3DS向け「スーパーマリオ」最新作の開発や、3DS向けバーチャルコンソールへの「ゲームギア」「PCエンジン」の参入、Wii向けに開発中の「The Legend of Zelda: Skyward Sword」のムービーが放映されるなど、新情報も公開されました。

 岩田氏は今までのゲーム業界の発展について、人と人とが繋がるという意味での”ソーシャルなゲーム”、誰もが欲しくなるような魅力的なものという意味である”マストハブ”の観点から解説しました。
 また、将来については3つの懸念点が話されました。プロジェクトが大きく複雑化したことにより職人魂が失われつつあること、専門化が進んだことにより開発者個人がゲームの全体像を把握しにくくなっていること、競合タイトルの増加やモバイルプラットフォームの誕生によりゲームの価値が変化していることの3点です。

 特に3点目については、任天堂が他のプラットフォームへ作品を提供しないことと関連性があります。任天堂には「ゲーム機は、どうしても遊びたいソフトを楽しんでいただくために仕方なく買っていただくものだ」との思いがあり、その上でソフトの高い価値を認めてもらいたいと考えているとのこと。
 岩田氏は、スマートフォンやソーシャルネットワークのプラットフォームではより多くのソフトを集めることが目標となっており、量こそが利益の手段であり価値には大した意味を持っていないとしています。

 講演の後半では主にゲーム業界が直面している問題点について語られましたが、岩田氏は講演の最後を以下のように締めくくりました。

 自分の情熱を信じてください。
 自分の夢を信じてください。
 25年間にわたり、ゲーム開発者は不可能を可能にしてきました。
 ですから、なぜここで歩みを止める必要があるのでしょうか?


 大きな発展を遂げたゲーム業界が今後も末永く発展していくために何をすべきなのか、ゲーム開発者の1人でもあり、業界をリードする任天堂の社長でもある岩田氏の視点から語られました。
 いくつかの新情報もあった基調講演ですが、ゲーム業界の過去と未来を俯瞰できる講演でもありますので、ぜひ一度読んでみてください。

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