任天堂、円高の影響を受け第1四半期決算で赤字の可能性
春先から続く円高傾向を受け、任天堂の平成23年3月期第1四半期決算が赤字になるとの予想が各証券会社より出されています。
モーニングスターの記事によると、ゴールドマン・サックス証券は9日付リポートで「
10年3月末と6月末の為替の差から計算上は700億円程度の為替差損もあり得、その場合の経常損益は382億円の赤字となりえる」と発表したとのこと。また、バークレイズ・キャピタル証券は14日付リポートで「
為替差損発生により最終赤字転落は避けられない」としています。
任天堂は平成22年3月期決算の発表時に、為替レートを
1ドル=95円/1ユーロ=120円に修正しました。しかしながら、6月30日時点での為替レートは1ドル=88円/1ユーロ=108円と予想を大幅に上回る円高傾向が続きました。現在はユーロが多少円安に動いているものの、年間を通して為替の影響は避けられない状況になっています。
なお、任天堂の決算が赤字になったのは、約400億円の為替差損が発生した2003年度中間期の1回だけで、これが1962年の上場以来初の赤字決算でした。任天堂は事業で赤字を出した事は1回も無いため非常に安定していると言えますが、海外での収益が大きいため以前から為替の影響を受けており、より一層の為替対策が必要になりそうです。
なお、任天堂の第1四半期の赤字予測は証券会社によるものです。第1四半期決算の発表は7月28日が予定されています。
◎関連リンク
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任天堂の第1四半期、円高で最終赤字の可能性、悪材料出尽くしか (モーニングスター)
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任天堂が初の赤字転落、2003年9月中間期決算 (日経BP)