社長が訊くWiiプロジェクト、「Wii Sports」編がスタート
本日、「社長が訊くWiiプロジェクト」のソフト編第1弾となる、「Wii Sports」編が掲載されました。
今回(Vol.4)は、岩田社長、江口勝也氏(情報開発本部制作部 制作第2グループ)、太田敬三氏(同 製作技術統括グループ)、山下善一氏(同 制作第2グループ)、嶋村隆行氏(同 制作第2グループ)が登場しています。
今までは「Wiiのハードの部分」を中心に話が進んでいましたが、今回からはソフトということで「Wii Sports」編が始まりました。
第1回のタイトルは「
このパッケージングは、ある種の発明だと思う」です。いつも通り、重要なところをまとめました。
「Wii Sports」になるまで
- 最初は、「リモコンの特長を最大限に活かした試作品」を、何組かのグループがそれぞれ作っていた。
- そのプロジェクトがまとまっていく段階で、いくつかのゲームを「スポーツ・パック」としてまとめようという事になった。
宮本さんがくれた1枚の紙
江口氏:「(たくさんの試作品について)これをどう料理してお客さんに出したらいいんだろう?」ということでずっと悩んでました。で、そのときに宮本(茂)さんも同じようにパックのことをずっと気にしてらっしゃって、あるとき、すごく珍しいことに、宮本さんが、
その混沌した材料をどうまとめるかというのを紙にまとめて書いてくださったんですよ。
岩田氏:え? 宮本さんが紙にまとめたの?
江口氏:まとめたんです(笑)。ぼくも初めて見ましたよ、宮本さんがそういうものを書いたというのは。宮本さんの頭の中って、こんなふうになっているんだな、というようなまとめ方の紙だったんですけど。
紙に書いてあったこと
岩田氏:ちなみに、どういう指示が書かれていたんですか。
江口氏:いやもう、言ってしまえば、汚い図なんですけど(笑)。
一同:(笑)
岩田氏:その中には、最近、宮本さんがよく語る、ヘルスパックの構想も書かれていたんですか?
江口氏:そうですね。Wiiでは家族をつなぐリビングの中心にある道具、という考えを押し進めていく構想でしたから、しっかり書かれてました。ヘルスパックから更に繋がる広がりまで、宮本さんの頭の中の雑然さがそのまま出たような感じでしたけど(笑)。
でも、本当に、全部書いてありましたよ。たくさんあった試作のひとつひとつを
これは「スポーツ」、これは「ファミリー向け」というようにだいたいの感じでグループ分けしてあって。そのなかの「ファミリー向け」のものは
『はじめてのWii』になるんですけど、リモコンを一緒に売るということも書いてありましたし、「Wii伝言板」のカレンダーとの連動も書いてありました。
この、「Wii伝言板」との連動というのは、毎日Wiiの電源を入れてもらうためのきっかけになればということで入れた仕様なんですけど、
『Wii Sports』と、『はじめてのWii』をプレイすると、そのプレイの結果が、「Wii伝言板」のカレンダーにぺたっと貼り付けられるようになっているんです。
そういったことも、宮本さんのまとめた紙にはおおまかな仕様として書いてありました。その1枚の紙が『Wii Sports』の実質的なスタートラインになったんです。
「Wii Sports」や「はじめてのWii」について
岩田氏:このパッケージングというのは、私は、ある種の発明だと思うんです。豪華な1本でもなく、100種類のミニゲーム集でもなく、何かのライセンスものでもなく、有名なキャラクターが乗っているわけでもない。
当初の開発コンセプトだった「
新しい操作によるまったく新しい遊び」を十分に活かしつつ、なおかつ、「ひとつひとつは練り込まれていて飽きない」という磨かれ方をした5本のソフトが詰まっている。そういうバランスのパッケージングはこれまでになかったと思うんです。
やはり「任天堂のソフトは宮本さんで決まる」ということも結構ありますよね。Wiiでも、ゼルダ等のソフトだけでなく、様々なところに関わっているようですね。
この連載では、今後ほかのソフトも取り上げられるようですので、このあとも楽しみです。
◎関連リンク
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社長が訊くWiiプロジェクト Vol.4「Wii Sports」編 第1回 (任天堂)