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コラム: Wiiで「任天堂の新作タイトルが足りない」と言うけれど

  • 掲載: 2009年3月13日 22:49
 最近、巷では「Wiiには任天堂の新作タイトルが少なすぎる」という意見が出てきており、ちょっと前の「Wiiでは任天堂タイトルしか売れない」と言われていた頃とは違った現象が起きています。
 そこで今回は、なぜそういった批判が出てきているのか、昨年の年末商戦に何が起きたか、あとは今後のWiiについて考えてみたいと思います。
 M☆G☆M+etc...さんなどが主に批判されているのは、昨年の年末商戦以降、つまり2008年10月から半年間の任天堂のラインナップでした。まずは一覧を見てみましょう。
  • 08年10月 Wii Music
  • 08年11月 街へいこうよ どうぶつの森
  • 08年12月 Wiiであそぶ ドンキーコングジャングルビート
  • 08年12月 Wiiであそぶ ピクミン
  • 09年1月 Wiiであそぶ マリオテニスGC
  • 09年2月 アナザーコード:R記憶の扉
  • 09年2月 Wiiであそぶ メトロイドプライム
  • 09年3月 Wiiであそぶ ピクミン2

 昨年の年末商戦で、任天堂は「Wii Music」と「どうぶつの森」の2タイトルを中心に勝負を仕掛けました。結果、2008年中に「Wii Music」は40万本、「どうぶつの森」は90万本を売り、数字を見ると良い結果だったように見えます。
 しかし同時に、Wiiはパッとしないまま年末商戦を終えてしまったようにも感じました。2006年の「Wii Sports」や「ゼルダ」、2007年の「Wii Fit」や「マリオ」のような華々しいタイトルが不在でしたし、本体も2007年の年末商戦ほどは売れず、Wiiは前年を下回る勢いに留まってしまったからです。

 年末商戦の戦略ミスについては任天堂自身も認めるところで、1月末の決算説明会にて岩田社長が「昨年の暮れはわれわれが狙ったとおりのシナリオにならなかった」とコメントしています。

 ただ、2009年1月~3月のラインナップについては、僕は不十分だったとは感じていません。と言うのも、1月~3月は年末商戦後なので、どうしてもラインナップが貧弱になってしまうという事があります。
 確かに、GCタイトルのリメイクばかりで新作は「アナザーコード:R」だけでしたが、任天堂は年明けから4タイトルをリリースしていますので、それ自体はむしろ評価できるでしょう。
 しかも、Wiiであそぶシリーズは”GC時代に埋もれてしまった名作をWiiで”というコンセプトなので、それが魅力に感じる層だってあるわけです。

 それなのに批判されてしまうのは、やはり年末商戦の戦略ミスによる影響を引きずっているのでしょう。あと、最近は「龍が如く3」や「バイオハザード5」など他機種でのヒット作が連続であったので、Wiiに不安を感じた方もいるかと思います。
 なので、Wiiに物足りなさを感じているユーザーが増えているのは、確かな事でしょう。

 とは言え、ですよ。ラインナップの話をするなら、通常であれば任天堂の勢力が弱まっている今こそ、サードに目が行くのではないでしょうか。Wiiと言えども、良質なサードパーティ製タイトルは発売されているわけです。
 1月はFRAGILE、2月はデッドライジング、3月は007など、探せば良いタイトルは見つかります。

 それでも、現在は「Wiiには任天堂の新作タイトルが足りない」という批判が高まっています。「Wiiはラインナップ不足」だと言うわけではなく、「任天堂タイトルが足りない」と。これは、多くのWiiユーザーはサード製タイトルに見向きもしないという事ではないでしょうか。
 サード製タイトルには力不足な所もありますが、それにしても、もっと売れて良いんじゃないかと溜息を吐いてしまうタイトルは今までに何本もありました。売れない原因は様々あるんでしょうけど、それだけで1つのコラムになってしまうテーマなので、今回は置いといて。

 一旦ここで海外に目を向けてみましょうか。海外からは任天堂のWiiタイトルが足りないと言う意見は聞こえてきません(僕が知らないだけかも知れませんが)。
 海外では、サード製Wiiタイトルもそれなりに売れて上手く補い合っているので、特に「任天堂タイトルが少ない」とは言われていないんですよね。

 で、その市場の不健康さが岩田社長の「日本は、世界一据置型のマーケットに元気がない」という発言に繋がり、任天堂とWiiにとって一番厄介なのは日本市場だった、という事になってしまうんですよね。

 ただ、Wiiでサード製タイトルが売れないというのは初期のDSから予想できた展開ではあったので、やはり任天堂には頑張ってもらいたかった。WiiやDSなどの任天堂系プラットフォームが持つ最大の特徴は、良くも悪くも任天堂タイトルがあることです。なので、サード製ソフトがしっかりと売れるようになるまでは、辛抱強く任天堂がハードを牽引していかなければなりません。
 Wiiの場合は、せめてモンハン3が発売される夏まで、ハードメーカーとして力強くWiiを先導し続けて欲しかったですね。

 さて、他ハードによる追い上げもあり、今はWiiにとって逆風が吹いている状態です。しかし、春には「Wii Sports Resort」とWii MotionPlusがリリースされますし、他にも2009年度は任天堂のラインナップも続々登場するでしょうから、なんとかして悪い流れを断ち切って欲しいところです。

◎関連リンク
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