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コラム:「子供向け」と言われる任天堂ハードからの脱却、今後の道

  • 掲載: 2006年9月25日 23:26
 不定期にお送りするコラム。今回は、子供向けと度々言われてしまう任天堂ハードの背景とWiiに託された課題です。
 今回のこの記事は、Codename Revolutionの「A brief look at Mature titles on Nintendo Consoles」を参考にさせて頂きました。
 任天堂は、「マリオ」「リンク」「ドンキーコング」などのキャラクターに愛され、テレビゲーム界の「ディズニーワールド」として知られています。ですがこのイメージは、残念なことに任天堂の市場占有率を下げ、会社の重要な問題となってしまいました。

 90年代半ばに、「Mortal Kombat」という名のゲームソフトが論争を起こしていた時、この問題に最も柔軟な姿勢を見せたのは任天堂でした。
 この論争があったために、ESRB(米国のソフトウェアレーティング機構)が設立されました。この出来事は、「子供向け」と言われる任天堂のイメージの始まりにしか過ぎません。

 「ニンテンドウ64」を思い出してください。64では、300程度あったソフトの内、約7%のレーティングがM(17歳以上対象)です。そして、ユーザーに購入された全ソフト本数のうち、約20%はレーティングがM(17歳以上対象)またはAO(18歳未満禁止)のソフトであると言われています。
 ですが残念ながら、Mと評価されたタイトルの品揃えの評判は良くなく、サードパーティとシステムに対するイメージを悪くしました。

 ゲームキューブは、新しい望みを持つはずのゲーム機でした。そして、任天堂を再び王者へと復活させるはずでした。ですが実際は違います。発売後6ヶ月程の間、ソフトはほとんど供給されませんでした。また、それ以前に既に権力は移っていたため、GCは結局数年間の借りを作ったままです。
 GCソフトの6%(64よりも多い数)はレーティングMソフトでしたが、「子供向け」のイメージはGCによってさらに広がってしまいました。

 任天堂はWiiと共に、「or(子供向けのコンテンツ)」から「and(あらゆる年齢層に向けたコンテンツ)」へと進化を遂げるでしょう。彼らの目標は、今までのどのコンソールよりも多く、レーティングMのソフトを発売することです。
 NOA社長のReggie Fils-Aime氏は、「私達は、あらゆるパブリッシャーと連絡を取ろうと試みています。実際、Mと評価されるソフトがWiiにはあります。」と答えています。

 しかし、100以上あるWiiソフトのうち、Mと評価されるソフトはわずか2つです。それは、「Tom Clancy’s Splinter Cell: Double Agent」と「The Godfather」です。
 ここで質問です。任天堂は、本当にM評価のソフトをファンへ提供するのですか?それとも、私達はまた過去の繰り返しを見ることになるのですか?
 おそらく、ゲームに触れたことのない人を取り込むことが、任天堂の市場占有率を増加させる唯一の方法であるようです。


 日本と海外では市場が大きく違っていて、海外ではライトゲームが受け入れられていない部分もあり、現在言われているように「重厚なゲーム」がまだまだ売れ続けているのは事実です。
 また、ここ数年間で、特に「任天堂ハードは子供向けだ」というイメージがつきまとう様になってしまいました。「任天堂が変わらなければ、いつになってもこのままだ」という声もありましたが、DSの成果はWiiへの望みに繋がりました。
 この路線を引き継ぎ、縮小を続けるゲーム市場を拡大へ導くことが、今の任天堂の使命なのでしょう。


◎関連リンク
 □A brief look at Mature titles on Nintendo Consoles (Codename Revolution)
 □Entertainment Software Rating Board (ウィキペディア)
  ↑米国でのレーティングについて