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新機能「Wii伝言板」とは?――連載「社長が訊くWiiプロジェクト」

  • 掲載: 2006年9月21日 23:56
 久しぶりに、「社長が訊くWiiプロジェクト」が更新されました。この連載は、任天堂ホームページで2週間ほど前から続いています。
 「Wiiチャンネル」編の第3回では「Wiiは家族のパブリックスペースなんです」というタイトルで、14日に発表された新機能である「Wii伝言板」などについて語られています。

 Wii伝言板は、主にユーザー同士でメッセージを伝え合うために使用します。これは家族間でのオフラインでも大丈夫ですが、もちろん遠くのユーザーとも通信できます。あと、対応ソフト(どうぶつの森など)や「WiiConnect24」からも、お知らせメッセージが届くそうです。また、これらのメッセージは、表示されるカレンダー上で管理します。

 伝言板の基本的な使い方の一例が、連載で触れられています。

 玉樹氏:もっとも単純な機能としては、メモを書き込むことができます。
たとえば、お母さんが「おやつはここです」というメモを書いて「Wii伝言板」にポンと貼っておく。冷蔵庫のドアに貼られたメモのようなものを思い浮かべてもらうとわかりやすいと思います。そういったメモは、カレンダーのその日のところに貼られます。


 先ほどの通り、対応するWiiソフトも「Wii伝言板」を使用できます。

 玉樹氏:たとえば、Wiiで『どうぶつの森』を遊んでいると、「今度の土曜日に村でコンサートが開催されます」という情報が、ユーザーがゲームを立ち上げていなくても、自動的にカレンダーに貼られるというようなことです。
 あるいは、『脳トレ』のようなソフトがあった場合には「今日の脳年齢は50歳でした」というような結果をそこに貼り付けることも可能です。


 DSのWi-Fiコネクションであったように、友達同士を登録してメッセージをやり取りすることも可能です。

 玉樹氏:オンラインになると、「Wii伝言板」を介して様々な情報を友だちとも共有できてしまいます。といっても、情報がすべて流れてしまうというわけではありません。
 誤解されないように言っておきますと、ここでのネットワークというのは、ニンテンドーDSの『どうぶつの森』の仕組みと同じで、お互いがお互いを登録しないとつながらないようになっています。ですから、知らない人からハラスメントを受けることもありませんし、スパムメールのような怪しいメッセージが届くこともありません。
 岩田氏:ネットワークでつながることはとても楽しいことですけど、不特定多数につながるとストレスや恐怖感がありますからね。
 玉樹氏:はい。基本的には、登録した友だちどうしと、情報をやり取りしていく形になります。


 あと、これも今までのゲーム機には無かった機能だと思いますが、携帯電話と連携してデータのやり取りができるようです。

 玉樹氏:さらに、「Wii伝言板」ではゲームのデータや、静止画などもやり取りすることができます
 また、携帯電話とメッセージをやり取りすることも可能になりますから、家族の例えばかりになって恐縮ですが(笑)、残業中のお父さんに居間のWiiからメッセージを送る、なんていうこともできてしまうんです。
 そして、返事に写真付きのメッセージが届いたり。総合的にいうと、友だちどうしとか、家族とか、そういった身のまわりの人たちと、Wiiを介して「ゆるやかにつながっているような感じ」になる、そういうものだと思っていただければいいと思います。


 携帯電話やパソコンを使えなくても、Wiiで家族とメールのような形でコミュニケーションが取れる、という感じですね。
 家族や友達など、いろいろな人たちで使用する「Wii伝言板」ですが、個人ごとに整理するためにユーザー管理などの機能が検討されたようですが、それは削除されたようです。

 玉樹氏:あの、初めて「Wii伝言板」を見た人からよく言われることで、「家族の中の誰宛、っていうふうにできないんですか?」っていう意見があるんですね。
 つまり、個人個人の伝言板が持てたほうがいいんじゃないかと。しかし、この機能の根底にある思想としては、個人の携帯電話に直接他人から連絡が入るというよりは、家庭のポストの中にハガキが何枚か、ぱらぱらと届いているようなものに近いんです。で、ポストをパッと開けると、何通入っているかすぐわかって、ハガキを見ると、「あ、父ちゃんにだ」っていう。


 「Wii伝言板」は家族のみんなで使ってもらおうということで、あえて郵便ポストのような、一まとめの形式を選んだとのことです。あと、こんな話もあります。

 黒梅氏:家族のひとりひとりにアカウントを作ることも仕様を変更すれば、できることはできるんです。でもやっぱり、Wiiという機械にそれは馴染まないんですね。
 端的な例を挙げると、みんなで触ってほしい機械なのに、個人のアカウントを設けたら、メニュー画面にパスワードというものを入れなくてはならない。Wiiの電源を入れたときに、「ユーザー名とパスワードを入れてください」っていうのは、なんというか、許せないという感じがしたんです。これは議論していたほぼ全員が同じ意見でした。
 岩田氏:うん、けっきょくそこだったような気がしますね。もうWiiのコンセプトとしてありえないよと。だって、1秒でも早く起動させたいということで全社をあげてがんばってきたのに、そこでユーザー名とパスワードを入れないと使わせてあげないっていうのは、もう論外だと。(中略)
 ですから、考えれば考えるほど、結論はひとつで、やはりWiiは家族のパブリックスペースなんです。家族に限らず、みんなが共有しているからこそおもしろい姿になるようなものがあるんじゃないかと思うんですよね。


 Wiiが「ゲームに興味の無い人と戦うハード」であるということが、このことからも明らかになった感じです。ゲームを手にしない人達の入り口として、リビングにおいて邪魔にならない伝言板や「Wiiチャンネル」などのツールが用意されている、ということですね。
 Wiiでゲームがどのように変わるか、とても楽しみです。


◎関連リンク
 □社長が訊くWiiプロジェクト Vol.3「Wiiチャンネル」編 第3回 (任天堂)