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E3: 「任天堂メディアブリーフィング」統括・実況後の感想など

  • 掲載: 2008年7月17日 01:32
 まだ発表内容のまとめ記事が途中ではありますが、実況後のE3「任天堂メディアブリーフィング」の統括や感想などを語りたいと思います。

任天堂にとって「E3」は変わりつつある

 まずは会を簡単に振り返っていきたいと思いますが、今回は昨年とは雰囲気が違いましたね。冒頭ではレジー氏は登場せず、最近NOAの幹部に就任したCammie Dunaway氏が登場しました。

 同氏は挨拶の中で、「任天堂で働いている母親はかっこいいんですから」「今年の母の日では、息子にメッセージカードで”世界で一番好きなお母さん”と書いてくれた」などと話している事から、母親でもあるNOA幹部がメディアブリーフィングに登壇ということ自体がアピールなのではないでしょうか。
 こういうことからも、今回はライト層に重心を置いた発表会である事が伺えますね。


今回の発表内容を振り返りましょう

 発表の流れは実況記事にまとめてありますが、ちょっと見にくい部分があるので、改めてまとめたいと思います。まず最初に、Ubisoftの「Shaun White Snowboarding」が登場しました。オリンピック優勝経験を持つプロのスケートボード選手を招き、先ほどのCammie Dunaway氏と供に体験しました。
 本作はバランスWiiボード対応ソフトなのですが、何よりも驚いたのは、サードパーティのソフトを最初に持ってきた事ですね。UbisoftはWii向けソフトでかなりの成功を収めているメーカーですし、今後も本気で行くという意志の現れでしょうか。

 続いて岩田社長が登場。昨年と同様、パラダイムシフトに関するお話です。違いと言えば、昨年よりも市場の変化についてや、任天堂の方針について時間をかけて説明していることでしょうか。
 ほか、任天堂が用意したラインナップがもたらした成果や、一部サード製ソフトにも触れ、「ギターヒーロー3」はWii版が最も売れたことなども述べていました。

 岩田社長の次は、Wii版「どうぶつの森」のディレクターを務める江口勝也氏が動画で登場。本作の主な特徴などを語りました。詳細については、別で特集記事を書きましたので、そちらをご覧ください。
 → E3: 任天堂、Wii版「どうぶつの森」を発表――Wi-Fi対応や周辺機器「Wii Speak」など

 そしてようやくレジー氏の登場です。やはり最初は、北米におけるDSやWiiのシェア、Wiiの立ち上げに関する戦略などを語りました。その後は、サードパーティ関連の話になり、ここでサードパーティ製3タイトル分の動画を放映。

 動画が終わった後はCammie Dunaway氏が登場、DSの性別シェアや売り上げ、サード製ソフトに関する話に変わります。ここでは、アクティビジョンの「GUITER HERO ON TOUR」、エレクトロニック・アーツの「SPORE」の動画が流され、それぞれで開発者が登場してソフトの紹介をしました。ほか、コアゲーマー向け新作として「グランドセフトオート チャイナタウンウォーズ」が取り上げられました。
 続いては、DSのゲーム以外の利用について。ここでは、シアトルマリナーズ球場でのDSの活用や、米国版「お料理ナビ」を紹介。

 そしてようやくWiiの話題へ。”Wiiリモコンを再定義”すると紹介された「Wii MotionPlus」を公開。と言っても、前日の夕方に公式サイトにてリリースが発表されていたため、驚きが薄くなってしまいましたね。
 対応ソフトとして「Wii Sports Resort」を初公開。収録されるミニゲームの例として、Cammie Dunaway氏が「ディスクドッグ」を、レジー氏が「パワークルージング」を紹介。その後なぜか、どっちのゲームが素晴らしいか喧嘩に。「これは決着をつける必要がありますね」という事で、2人は「ソードプレイ」で対決。結果は1対1でしたが、何となくレジー氏が押されていたようなw

 そして最後に「Wii Music」。宮本さんも登場し、特別枠での紹介です。本作の詳細については、別の記事でまとめましたのでそちらをご覧ください。
 → E3: 「Wii Music」を宮本さんが実演、バランスWiiボード対応も決定

 「Wii Music」の実演が終わったところで、締めに入ります。Cammie Dunaway氏とレジー氏が登場し、今回紹介したソフトのまとめや、今後の展望などの話題に入ります。「パラダイムシフトが起きると、すぐに模倣が発生する」「成功者でいられるのは、自らアドバンテージを作った者だけだ」など、勝者ではないと言えない様な豪快な事も言うと同時に、「次の挑戦は、自らの考えを壊すこと」など、驕らないという決意も見えました。


メディアブリーフィングを終えて

 今年は、「Animal Crossing City Folk」や「Wii Music」という、今年の年末を飾るビッグなタイトルが発表されました。が、それにも関わらず、何故か昨年のE3と比べると物足りない気がしてなりません。

 それは、発表内容が”想定の範囲内”に収まってしまったからですかね。WiiMusicとどうぶつの森はほぼ確実でしたし、周辺機器の「Wii MotionPlus」は前日に発表されていましたし。

 あともう一つ、ファンが求めていたはずの任天堂製の濃いゲームが一切発表されなかった事も、「物足りない」と思ってしまう要因でしょうか。1つくらい、Wii向けに濃い作品を発表してくれるだろうと思っていたんですが、そうは上手く行きませんでしたね。
 あと、新作ゼルダなど事前に流れてた噂とか、Wiiのメモリ対策や新型DSなどで期待が膨らみすぎた、というのもあるでしょうね。特にサプライズが無かったのが、アツくなれなかった要因でしょうか。

 まあ、各所で売り上げやシェアなどの「自慢話が長かった」と言われていますが、時間自体は昨年と同じくらいだったと思います。
 だた今回は、冒頭のスノボーの後、岩田社長→江口氏→レジー氏と演説が続いたり、サード関連でも開発者が登場したりと話が長かったため、余計に長く感じてしまったのかも知れません。

 今回のメディアブリーディングを一言で表わすと、”ライト層はお腹一杯だけど、コア層には物足りない”という感じでしょうか。いえ、「Wii Music」や「どうぶつの森」は、確かにインパクトの大きいソフトですよ。ですが、もう一押し、何かサプライズが欲しかったなあと個人的には思います。

 でも、何年かに一回は、今回のように淡々と進むメディアブリーフィングもありなのかも知れません。気が早いですが、来年もE3があれば実況しますので、また一緒に一喜一憂できればいいなあと思います。

 それでは、引き続きまとめ記事を書いていきたいと思いますので、そちらもお楽しみに。