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「社長が訊く Wiiプロジェクト」、リモコン編の第1回

  • 掲載: 2006年9月11日 20:34
 任天堂ホームページで連載されている「社長が訊く Wiiプロジェクト」のリモコン編が、本日より始まりました。
 リモコン編では、前回より登場している岩田社長・竹田玄洋氏・芦田健一郎氏に加え、新たに宮本茂氏(情報開発本部長)・池田昭夫氏(同 開発部 開発第5グループ)の計5名となっています。

 第1回は「両手で持つことすら、リセットしても良い」です。

◎関連リンク
 □社長が訊く Wiiプロジェクト Vol.2リモコン編 第1回 (任天堂)

◎リモコン編第1回 ポイントのまとめ
ニンテンドーDSの影響
 竹田氏:影響として大きかったのは、ニンテンドーDSの存在です。Wiiのコントローラを作っているときにニンテンドーDSのコンセプトはすでにありましたし、仕様を固めていくころには、多くの人に受け入れられていました。そのDSの路線をどう維持していくのかというのがコントローラを作っていくうえで頭の中にありましたね。
 岩田氏:竹田さんは、ニンテンドーDSの影響を語ってらっしゃいましたが、コントローラを考えるうえで池田さんにもニンテンドーDSの影響はありましたか?
 池田氏:やはり、ありましたね。個人的な話になりますが、自分の親がニンテンドーDSに興味を持ったというか、「ちょっと遊んでみたい」と言いだして、かなりびっくりしたんです。
 テレビや雑誌でDSを見ているうちに「ペンなら私でも触れそうだ」ということで興味を持ち始めたみたいで。それを知って、やはり「親しみやすさ」というものはすごく重要なんだなと思ったんです。

「足す進化」から「掛けたり割ったりする進化」へ
 芦田氏:やはり、いままでのコントローラというのは、ファミコン、スーパーファミコン、ニンテンドウ64、ゲームキューブと、何かを足していくような進化だったと思うんです。各ハードにマッチした新しい機能を足して、どうまとめていくか、ということですね。
 ところがWiiのコントローラの場合は、足すだけじゃなくて引くこともありましたし、それこそ掛けたり割ったりするようなこともあって、開発の仕方が根本的に違ったという印象があります。

コントローラをリセット
 芦田氏:やはり、Wii全体にかかわるコンセプトがはっきりと見えてきたことだと思います。
 ぼくは、個人的には、ゲームキューブのコントローラを従来型のコントローラの集大成だというふうに感じていて、これ以上、足し算の発想で作っても大きく進化させられないし、なにより、自分が遊ぶときに、うまくつき合えないような気がしていたんです。
 (中略)具体的にいえば、もう、コントローラを両手でぎゅっと握って、テレビにかじりついて朝までカチカチやるようなスタイルはいったんリセットしてもいいんじゃないかということですね。
 もちろん、そういった深い遊び方を否定するわけではありませんが、両手で持つことすらリセットしてもいいというコンセプトにぼくは非常に未来を感じました。

任天堂だからできた?
 岩田氏:きちんと振り返って確認してみたいんですが、どうしてここまで思い切れたんでしょうね。いや、私は、片手でコントローラを操作することを考えた会社が任天堂のほかにいないとは思いません。周辺機器メーカーさんからは実際に出ていますしね。しかし、ハードを出すメーカーが、ある意味過去を否定するような方向に、ここまで本気で突っ走っていくわけです。どうして、そこまでしたんだと思いますか?
 芦田氏:……任天堂だからじゃないですか?
 岩田氏:それは、答えになってない(笑)。
 竹田氏:「任天堂だから」というのを違う言い方をすると、任天堂というのは、人と違うことをするとみんながほめてくれる会社なんですよ。
 人と違うことをしようとしたことに対して、いろんな人がいろんな形で応援してくれて、ハードルを乗り越える手伝いをしてもらえる会社だと思うんです。それが今回のWiiのチャレンジを可能にしたのかなと思いますね。

 Wiiのコントローラが昨年のTGSで発表された時、「片手で持つ」ということに賛否両論でした。改めてこのような形で開発者の声を聞くことで、なぜこのような進化を遂げたのかが掴めてきました。
 Wiiは、今までのゲームを根本から変えることを目指したハードのようです。