Wiiリモコンは、今までの両手を使ったコントローラとは違った”片手”という持ち方で、画面をポイントしたり、振ったりなどの直感的な操作を取り入れて、多くの人の支持を得ました。
でもそれだけではなく、ボタン配置や名称なども新しい事だらけです。今日は、そのあたりの変化を考えてみたいと思います。
コラムを書くのは久しぶりですが、やまなしなひび-Diary SIDE-さんの
WiiリモコンにはSTARTボタンもSELECTボタンもない……何故?と言うのを読んで、
そういえばWiiリモコンって途中でSTARTから+に変わったなーというのを思い出したので、そのあたりを書こうと思います。
Wiiで遊んだ事がある方なら分かるかと思いますが、Wiiリモコンの真ん中あたりに「
+ボタン」と「
-ボタン」があります。(※
Wiiリモコンの解説はこちら)
ですがこれ、Wii以前の任天堂のゲーム機を含めて、ほとんどは「
STARTボタン」と「
SELECTボタン」という共通した名前が付けられています。
このSTARTとSELECTはファミコンの頃からあるボタンなんですが、当時は、ゲームを起動してタイトル画面が表示されたら、SELECTボタンを押してモードを選択、そしてSTARTボタン押してゲーム開始という流れでした。
その頃(といっても20年近く前ですが)はきちんとした役割がありましたが、それがいつの間にか、モード選択は十字キーでも可能になり、ゲームスタートもAボタンでも良くなったため、STARTとSELECTは
影が薄い存在になりかけました(便利になったので良い事ではあります)。
その代わりにSTARTボタンに与えられたのが、
ゲームをポーズ(一時停止)するという機能です。SELECTボタンにも、マップやメニュー画面を表示したりと、ゲーム内で結構重要な役割を与えられるようになりました。
その風習は今も続いています。いつの間にか、メーカーとユーザーの間に
ゲームをポーズ(一時停止)する時はSTARTボタンだという共通認識ができてしまっていたのです。もちろん、ゲームの経験が無い方はそんな事は知らないでしょうし、分かったとしても、なんで
一時停止するのにスタートボタンなんだろうという疑問は消えないでしょう。
実は、Wiiリモコンが初公開された2005年の東京ゲームショウの時点では、+と-ボタンではなく定番のSTART・SELECTボタンになっていましたし、1・2ボタンもX・Yボタンでした。さらに、名称も「Wiiリモコン」ではく、”
ゲームリモコン”でした。ちなみに言うと、ヌンチャクのCやZも、2005年時点ではZ1とZ2だったのです。
これが変わったきっかけは、Wiiのコンセプトなどを明らかにした2006年のE3です。
ここからは個人的な見解ですが、なぜ「+ボタン」と「-ボタン」なのかと言えば、恐らく”リモコンだから”ではないでしょうか。ほとんどのTVリモコンには、音量を調整するボタンがあります。形こそ違えど、マークは
「+」と「-」であることが多いかと思います。
リモコンというイメージに合わせて、既に使ったことがあるであろう「+」と「-」を取り入れたのではないでしょうか。実際のところ、インターネットチャンネルやニュースチャンネルでは
文字の拡大・縮小に使いますし、Wiiメニューでは本物のテレビのように
Wiiチャンネルの切り替えを行うことが出来ます。まさにリモコンなわけですね。
結果、Wiiリモコンは、ゲームのコントローラのイメージをガラリと変える事に成功し、ゲームが初めての方にも威圧感の無い印象になったと思います。やはり、XやらYやらZ1やらZ2なんて、初めて使う人にとっては辛いですよね。中には、アルファベットを見るだけで嫌だという方もいるかもしれません。
コントローラは操作するのが難しそうだという人に対して、
これなら簡単かも?という印象を抱かせることには成功したのではないでしょうか。
僕はN-Wii.netを運営していて、この場ではWiiを紹介する側になっていますが、やはり、せっかくWiiを買ったなら何年間も使って欲しいですし、こんなに面白いゲームがあるんですよと、ぜひ遊んでみてくださいと声を大にして言いたい。
でも、そのためには、「Wii Sports」のテニスのように振るだけの操作から、少しレベルアップしてもらわなければなりません。
正直言って、上で取り上げた記事を読むまで、+や-なども今までのSTARTやSELECTのノリで普通に使ってました。しかし、ゲームを始めたばかりの方の中には、AとBで精一杯だという方もたくさんいるのではないかと思ったのです。
いわゆる”ゲーマー”の人達にだって、操作が下手で初心者だった時期がありますし、
何とかそれを乗り越えて今があるのです。それは一筋縄ではいかない事ですが、きっと楽しいことなんですよ。
任天堂の「
間口を広く」という戦略は見事に成功しました。しかしそれは、どれだけ手間をかけた努力であっても「もう十分だ」いう事はありません。せっかく新しいユーザーを呼び込んでも、ライトからゲーマーに持っていける要因が無ければ、結局ゲーム人口が減り、将来が無いのと同じ状態になってしまいます。
出だしは好調だったWiiも、まだ2年目です。むしろこれからが正念場になってきますので、任天堂にはより一層の努力が必要になりそうですね。
◎関連リンク
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WiiリモコンにはSTARTボタンもSELECTボタンもない……何故? (やまなしなひび-Diary SIDE-)
ちなみに。
やまなしさんの記事を読んでたら、
検索してみたら、2006年5月の記事でWiiリモコンのボタンの名称が変わったという記事がありました。タイミングとしてはE3の頃で、Wiiリモコンにスピーカーが付いたことが明らかになった時期ですね。
ちょうどこないだ2005年9月の時点でのWiiリモコンの映像を紹介しましたが、アレを見てみると(上の記事とズレちゃうのですが・汗)―――
って書いてあったんですよ。
ん? と思って過去記事を見直してみたら、「ボタンに変更があります。
A,B,従事キーはそのままにし、A,Bボタンはそれぞれ1,2ボタンへ、START,SELECTボタンは+(プラス),-(マイナス)ボタンへと名称が変わっています。」とか突っ込みどころ満載の文章が書いてありました(汗)
絶望した!
2年間も間違いに気付けなかったことに絶望した!
…ええと、この場を借りて2006年の記事の訂正をしたいと思います。申し訳ないです。確か2005年のTGSの時は、X・Yボタンだったり、a・bボタンだったりとコロコロ変わっていたと思うんですよ。
正しくは、「A,B,十字キーはそのままにし、a,bボタン(もしくはX,Yボタン)はそれぞれ1,2ボタンへ」です。
たぶん、きっとこれからも誤字脱字があるかもしれないので、その時はビシッとご指摘を頂けたらと思います。
◎関連リンク
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絶望した!とは (はてなダイアリー)