「社長が訊く Wiiプロジェクト」、第2回が掲載に
昨日から、任天堂ホームページにて連載が始まった「社長が訊く Wiiプロジェクト」の第2回が掲載されました。
第2回は、「誰からも嫌われないデザイン」と題して、Wiiのハードデザインについて語られています。
今までのハードとは全く違う見た目、特徴的な小ささなど、Wiiが現在のデザインに至った理由などがメインの回です。以下に、重要な部分をまとめておこうと思います。
◎関連リンク
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「社長が訊く Wiiプロジェクト」Vol.1 Wiiハード編 第2回 (任天堂)
◎第2回のポイント
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岩田社長の指示 高本氏:「小さい」というのはWiiの持つ大きな特長のひとつだと思います。開発するにあたっての具体的な目標というのは、「DVDのケース、2、3枚分の容積」というものでした。これは、社長から直々に言われたコマンドだったんですが(笑)。
岩田氏:実際に、DVDのケースを積んでみせて、「これくらいにしたいんですよね」と言いましたね(笑)。
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ハードを小さくした理由 高本氏:つまり、Wiiという機械は、できるだけリビングのテレビまわりの中で、「目立たない存在」であるべきだと理解できたんです。
テレビのまわりというのは、みなさんよくご存じのように、さまざまなAV機器がひしめきあっています。ゲームキューブというのは、コントローラーがワイヤードでしたから遊ぶときには、当然、前に持ってくることになります。
ところがWiiはワイヤレスですし、ポインティングデバイスの機能を持つコントローラーの性質上、テレビの近くに本体を置いてもらわなくてはいけないんです。
そうすると、物理的に、スペースが限られてくるわけですね。考えられるのは、テレビの横の小さなスペース、あるいはラックに並んだAV機器の上の隙間。そういったスペースに収まらなくてはならないということでこれはなんとか実現しなくてはならない、と感じたわけです。
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薄さと強度 高本氏:薄くすると、強度の問題が出てきます。Wiiというのは、どんなに高性能でも、やはり娯楽品ですから、子どものユーザーの方も扱うことを前提にしなくてはならない。
とくに任天堂という会社は、できるだけ壊れにくくするということに関しては社内に非常に厳しい基準がありまして(笑)。
ですから、「小ささ」と「壊れにくさ」を両立するために何度となく、試作品を作っては試験をして、NGとなり、また対策を施してはNGとなり、というくり返しで……。
試行錯誤の結果、内部に補強板を追加する形で、なんとか「DVDケース3枚分」の厚さに収めることができました。
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今までの任天堂ハードデザインからの脱却 芦田氏:ゲームキューブについての意見で多かったのは、やはり、これは「おもちゃのデザイン」であるというものでした。
もちろん、それは意識してやったことで、任天堂のハードというのは、スーパーファミコンのころからずっと、「おもちゃである」ということに対して非常に意識的にデザインされてきたんです。
AV機器としてのデザインを無視していたわけではありませんが、どちらかといえば、おもちゃというか娯楽としてのデザインにウェイトを置いてきた。けれども、いまはユーザーの年齢層も変わってきていますから、おもちゃとしてのデザインの軸と、AV機器としてのデザインの軸の両方のバランスを見ながら作っていかなくてはならないと思ったんです。
□スタンド
芦田氏:もちろん本体だけでも、縦置き、横置き、両方の置き方ができますが、スタンドと組み合わせることによって、本体がスタンドに埋まっているようなこれまでにない見え方をするんですよね。
ちなみに、スタンドの提案はE3の2~3週間前にあり、岩田社長が即決したとの事です。