芦田氏: Wiiザッパー(※ガン型のWiiリモコン用アタッチメント)については、初期の段階から構想がありましたが、ハンドルに関しては、話が出ていただけで、試作品をつくるようなことまではしていませんでした。
宮本氏: でも、やっぱりハンドルってわかりやすいですよね。ちっちゃいころに、足踏み式の子ども用自動車に乗ったり、遊園地で本物のカートに乗ったりして、ハンドルを握った経験のない人はほとんどいないと思うんです。
ハンドルを右に回せば右にカーブするということは誰もが知ってることなんです。それに、たまには大きな箱の商品があってもいいとも思いましたし(笑)。
岩田氏: 『Wii Fit』を出したばかりで、ぜんぜん「たまには」じゃないと思いますけど(笑)。
一同: (笑)。
紺野氏: 海外の子会社から、メールが届いたことがありました。Wiiハンドルを送ってすぐに、「ゲームキューブのコントローラーには対応しないのか?」「ドリフトやミニターボの操作はどうなるのか?」って。
岩田氏:その気持ち、よくわかります。人は変化に対して不安を感じるものなんですよね。
紺野氏: もちろん、ゲームキューブのコントローラに対応させることは、最初から決まってましたし、一方で、Wiiハンドルも、遊んでみたら楽しさがわかりますから心配しないでくださいと伝えました。
(中略)岩田氏: でも、従来型のコントローラに慣れた人たちは、対戦で勝ったり、いいタイムを出すために、ゲームキューブのコントローラやクラシックコントローラなどで操作しようとしますよね。
紺野氏: ですから、そこは工夫しました。Wiiハンドルを使い続けることに意味を持たせたんです。ランキングでもそうですが、マッチングで見知らぬ人と対戦するときは、自分のニックネームが表示されるようになっていますが、その右側にWiiハンドルのマークを表示させるようにしました。
宮本氏: ゲームキューブのコントローラで操作してる人が、ハンドルマークがついている人に抜かれると、すごく悔しいんですよね。しかも、顔のパーツの数が限られてる中で競う「コンテストチャンネル」と同じで、制約があるほうが、おもしろいと思うんです。ハンドル操作で良いタイムを出せると、かなり自慢できると思います。