円グラフで見る、ゲーム業界シェアの遍歴
Youtubeにて、過去10年程のゲーム機とプラットフォームホルダー各社のシェアをまとめた動画がアップロードされていましたので、取り上げたいと思います。
まずは、動画をご覧ください。グラフは、赤色が任天堂系、青色がSCE系、紫色がセガ系、黄色がバンダイ系、緑色がマイクロソフト系です。
以下、解説を交えつつ動画を紹介していきたいと思います。この動画は、スーパーファミコンからニンテンドウ64への世代交代が進んだ1996年から始まります。この年は、94年に発売されたプレイステーションが躍進し、まあ、
SCEが主役の時代が始まった時期でもあります。この年のシェアは、任天堂が37.6%(SFCが27.4%、N64が5%、GBが5.1%)、SCEが35.8%(PSのみ)、セガが26.6%(セガサターンのみ)となっています。
その後もPSはシェアの拡大が続き、1998年には任天堂が25.5%、SCEが68.2%、セガが6.4%となります。これは、
1位が7割:2位が2割:3位が1割という、典型的な”従来のゲーム業界の常識”の通りとなっています。
さて、1998年にはドリームキャスト(セガ)、1999年にはワンダースワン(バンダイ)が登場しますが、任天堂とSCEのシェアはほとんど奪えていません。
2000年にはプレイステーション2が発売されましたが、このハードはPSの後継ぎとして、シェアもきちんと引き継いでいます。2000年のシェアは、
任天堂が39.9%(N64が15.3%、GBが24.6%)、
SCEが55.0%(PSが40.8%、PS2が14.2%)、セガが3.9%(DCのみ)、バンダイが1.1%(WSのみ)です。
2001年には、任天堂よりゲームキューブとゲームボーイアドバンスが発売されました。そのため、任天堂系ハードが新旧で4機種も登場しています。シェアは、任天堂が41.4%、SCEが55.0%で、残り数%をセガとバンダイが分けています。
ここから数年のシェアは、任天堂がGC+GBAで計40%前後、SCEはPS2のみで50%~60%という状態が続きます。
さて、2004年には任天堂よりニンテンドーDSが、SCEからはPSPが発売されました。が、発売は12月だったため、シェアの変化には影響ほとんどありません。
しかし2005年、皆さんも記憶に新しいのではないかと思いますが、DSの大躍進がはじまります。先ほど述べた任天堂対SCEの4対6という関係が崩れ、シェアは
任天堂が45.3%(うちDSが28.3%)、
SCEが49.9%(うちPSPが4.8%)となっています。
あの頃は「据え置き型ゲーム機のシェアを奪ったSCEが、ついに任天堂の最後の牙城を崩しにかかってきた」と言われていましたが、この年は
初めて任天堂がSCEに勝った年となりました。
2006年以降のニンテンドーDSの活躍振りは、もはや言うまでもありませんね。そしてこの年は、我らがWiiが発売された年でもあります。ほか、ソニーからはプレイステーション3が発売されましたね。シェアは、
任天堂が70.2%(うちDSが63.1%、Wiiが3%)、
SCEが29.8%でした。
さて、2007年です。思い返せば、去年は任天堂ハードが主役となった年でしたね。一方のPS3は、前世代機PS2からの移行があまり出来ていない状態です。シェアは、
任天堂が76.7%(Wiiが19%、DSが57.7%)、
SCEが23.3%です。
というわけで、ざっと11年間のシェアを振り返りました。まとめると以下のような3本立てですかね。
- 1996年頃 先手を打ったSEC、次世代機の立ち上げに遅れをとる任天堂
- 2000年~2004年 順調に移行したPS2、名誉を挽回できない任天堂
- 2005年以降 従来路線を捨てた任天堂のトップ返り咲き
まあその、歴史を語りだすとさらに長くなりますのでここで止めるのですが、残念なのは、日本でマイクロソフトの存在感がほとんどないことですね。
とは言え、コアゲーマー向けゲーム機としての地位を確実なものにしつつありますね。現状を正直に言うと、Wiiに満足できない層というのは結構いると思うので、そういう人に対しての売り込みが鍵となるでしょうか。
ゲーム業界の2008年も目が離せません。Wiiに関しては当サイトで密着してお伝えしていきますので、どうぞお楽しみに。
◎関連リンク
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The console wars - a look at the past to present (YouTube)